先日の amazonの返品 発送の方法を解説します というブログで
amazonの返品 発送の方法を解説しました
そこでは、「amazonの返品発送方法は簡単です
そして返品できる理由はとてもゆるいです
商品が不良品だったときはもちろん、他の理由でも返品できます」ということを書きました
ではなぜamazonの返品の理由がゆるいのでしょう。
今日はその理由を書きます
アメリカの商習慣
ボクが知っている、アメリカで実際にあった話をします
アメリカの一般消費者であるAさんは、クリスマス直前にカメラを買いました
さっそくAさんはクリスマスパーティーで新品のカメラでたくさん写真を撮りました
とても楽しく写真を撮っていました
さてその後のAさんのとった行動は何でしょうか?わかりますか
Aさんはクリスマスが終わったらカメラを返品して、カメラ代金全額を返してもらいました
Aさんは実質タダでクリスマスパーティでカメラを使ったことになります
アメリカでは開封後一度使ったあとでも、ユーザーが気に食わなければ返品できます
故障や不良品でなくても、「使ってみたけどピンとこない」と言って返品します
実際にはカメラの場合は「思ったより解像度が低い」とか「思ったよりピントが合うのが遅い」と言えば返品できるでしょう
どんなに解像度が高いカメラでも「ボクが思っていたより低かった」とか
どんなにピントが速いカメラても「ボクが思っていたよりピントが遅かった」と言われたら
反論は難しいです
Aさんは最初からクリスマスにタダで最新カメラを使おうとたくらんでいたのかどうかはわかりません
これがアメリカの商習慣です。日本ではあまりみかけないルールです
これは「返品自由」という商習慣です
さて、日本人のみなさんはこの話をどう思いますか
ボクは昔、この話を聞いた時は「ひどいな、Aさんは絶対わざと返品したんだよ」「アメリカの商店はこんなことゆるして儲かるのかな」と思いました
でも今は考えが変わっています
それについてはこれからお話します
お風呂テレビを買おうと思った
ボクはお風呂につかりながらテレビを見たいなと思いました
リフォームしてお風呂の壁にテレビを埋め込むタイプもありますが、とても高価なので、ポータブルテレビにしようと思いました。
防水ポータブルテレビ「お風呂テレビ」というやつです
比較的安いやつは、本体にアンテナが内蔵されていて、ワンセグとフルセグが受信できるものです
でもこのタイプは密閉されたお風呂場では電波が入らないだろうなと思いました
試しにワンセグ付きの携帯で試してみるとまともに見れたもんじゃありません
比較的高価なやつは、wifiで画像を転送する仕組みになっていました
仕組みとしてはこうです。本体BOXには家庭のアンテナコードを接続します
そして本体BOXを設置した部屋から、ポータブルテレビにwifiで画像を飛ばします
さてリビングに設置した本体BOXからお風呂場までwifiがちゃんと届くでしょうか?
ためしに手持ちのスマホで試してみたらスマホのwifiはお風呂場までなんとか届いていますが、電波はかなり弱い状態です
ポータブルテレビのwifiはお風呂場まで届くのでしょうか
もし買って電波が届かなかったらどうすればいいのでしょうか
ボクは家電量販店に出かけました
そしてこう言いました
「このお風呂テレビを家で試させてくれ」
「電波がお風呂場まで届くようなら買います」と
お店の人の答えは
「それはできません」
メーカーのプロモーション
ボクは映るかどうかわからないテレビは買えないなと思いました
そうしたらその数か月後にたまたまパナソニックのプロモーションが実施されました
それは「お風呂テレビの無料モニター募集」でした
「実際にご家庭で使ってみて感想をお聞かせください」というものでした
ボクは早速応募したら、当選しました
ボクはウキウキで家に設置してお風呂テレビを試してみました
リビングからお風呂場までwifiは問題なく接続できました
1週間モニターで使って、気に入りました
気に入ったというか元々買う気だったので、このお風呂テレビを買おうと決めました
メーカーの担当の方に「せっかくアンテナとか、受信局とか設定してあるので、このまま代金を支払うので売ってください」といいました
しかしメーカーの担当は「モニター品は売ることはできません。モニター品は返送ください」とのことでした
仕方ないのでボクはモニター品を返送して同時に別途同じ商品を買いました
返品自由はプロモーション戦略
今回のお風呂テレビのように、使ってみないとわからないものがあります
カメラもどのくらいきれいな写真が撮れるのか、使ってみないとわからない商品ではあります
ボクの場合はお風呂テレビがたまたまモニターキャンペーンしていたので試すことができたので、試した結果、購入しました
ボクの予想では、お風呂テレビのモニターキャンペーンに当選して実際に使った人は高確率で商品を買ったのではないでしょうか
でも考えてみてください、モニターは100人限定ですよ。全員が買っても100台しか売れない!
モニターキャンペーンをやるために、メーカーのマーケティング部のプロモーション部隊が何か月も前から準備していたことは容易に想像できます。モニターキャンペーンは会社にとって結構大変な仕事です
だとするならば、ボクが家電量販店で言った「商品を試させてくれ」「良ければ買います」
これをOKにすればいいと思います
そうすればモニターキャンペーンと同じになります
100人限定にする必要もなくなります
但し、大きな問題があります、お客さんが商品を持ち逃げする危険があります
ならば、先に店頭で商品を売ってしまえばいいのです。
代金をもらえば持ち逃げの危険はなくなります
そして、使ってみて気に食わなければ返品返金できるようにすればいいのです
さて、ここまで来て皆さんもお気付きでしょう
アメリカの商習慣「返品自由」は究極のモニターキャンペーンなのです
お客様に使ってもらって、気に入らなければ自由に返品できるという返品自由のシステムは
別の見方をすると、お客様に使ってもらって、気に入ればそのまま購入してもらう
というシステムとも言えます。
上で書いたモニターキャンペーンのように台数の制限はありません、市場に出荷した商品全部が「お試ししたうえで買える」のです
モニターキャンペーンよりもマーケティング部のプロモーション部隊のリソースも少なくて済みます
amazonの返品の理由がゆるいのはプロモーション戦略です
amazonで販売している商品数
東洋経済の記事によるとアマゾンジャパンが取り扱う荷物数は年間4億個です
⇒⇒「アマゾン、最強「買い物帝国」の知られざる姿 巨大な物流網は日系メーカーをも取り込む」
いうなれば、4億個の商品をお試ししたうえで購入することができます
amazonで買う人の声
ネットでamazonで買う人の声を調べてみると「簡単に返品できるから」と言う人は少なくありません
上に書いたように「仮想モニター販売」を期待している人もいれば
もしも不良品だった時「ラクチンに返品できる」からと言う人もいました
amazonの返品の理由がゆるいのはマーケティングでありプロモーション戦略であるのまとめ
amazonの返品の理由がゆるいのはマーケティングでありプロモーション戦略です
ボクはそう思います